イギリスを代表する女優作家、ジェーン・オースティン。彼女の作品はどれも人気がありますが、その中でも「高慢と偏見(原題:Pride and Prejudice)」はこれまで何度も映像化されてきました。
今回はその「高慢と偏見」映像化作品を、いろいろと観比べてみました!年代順に各作品をご紹介します。
「高慢と偏見」映像作品の比較
高慢と偏見(1940年の映画)
1940年に製作・公開された映画です。
全体的にコメディ調になっていて、喧嘩をするシーン等でもあまりシリアスな雰囲気にはなりません。サラッと映画が観たいときにいいかもしれません。
エリザベス役のグリア・ガースンが本当にきれい!まさに眼福です!ただその分、ジェーンがいちばんの美人で、2番目がエリザベスという設定は薄れている気がします。
ファッションがなかなかにド派手です!とっても大きなパフ・スリーブに、豊かなドレス。「高慢と偏見」は18世紀末から19世紀初頭の時代の話なので、時代考証的には合っていないようなのですが、艶やかな衣装を見て楽しみたい方にはいいですね(白黒なので色が分からないのがなんとも惜しいです)。
ミスター・ダーシー役のローレンス・オリヴィエがかなりハンサムなので、エリザベスと並ぶと本当に見ててうっとりしちゃいます。ファッションしかり、かなり「見て楽しむ」映画になっているようです。ただミスター・ダーシーの不器用感はあまりなく、「普通に女を口説ける色男」っぽさがあるので、正直「高慢と偏見」を観ているというより、普通のラブロマンスを観ているような気分になります。
ビングリーの妹も、キャサリン・デ・バーグ夫人も結局は良い人という設定になっていたので、本当にアクのない、「誰でも見やすい映画」に作られていた印象です。
高慢と偏見(BBCドラマ版)
こちらは1995年にBBCによって製作されたテレビドラマ版の「高慢と偏見」です。
全6話あり、各話は50分程度です。
映画よりも長い時間をかけられるため、こちらのドラマ版はだいぶ原作に忠実なイメージがあります。
ジェーンとエリザベスの性格の違いや、ミスター・ダーシーとエリザベスの関係の変わりようが、とても丁寧に描かれています。登場人物それぞれの個性も引き立っており、とてもいいドラマに思います。
ジェーン役のスザンナ・ハーカーがとってもきれいで、服装も相まって天使のようです!あのくりくりのお目目を見れば、ビングリーが一目ぼれしたのもうなずけます。エリザベスはジェーンよりは控えめですが、知的な美しさが光る存在です。ジェーンがいちばん美人で、エリザベスは2番目に美人という設定が上手く表現できていると思います。
私はBBCドラマ版のジェーンとエリザベスのおしとやかな感じが大好きなのですが、原作のジェーンとエリザベスの年齢はそれぞれ22歳と20歳。それを考えるとこのドラマの2人は大人びすぎているかもしれませんね。
ミスター・ダーシー役は、「英国王のスピーチ」で主演男優賞を獲得したコリン・ファース。彼はこのドラマで一躍スターになりました!彼の涼やかな目元は、ローレンス・オリヴィエのミスター・ダーシーとも通じるところがあります。
さて、こちらのドラマでは、原作にはないけれど後々語られるようになった「伝説の池シーン」があります(笑)。このシーンがこの後作られる「高慢と偏見」の作品たちに影響を与えるようになります。
ちなみにこのドラマは私のお気に入りのドラマなので、別記事にて詳しく愛を語っています。よかったら読んでみてください。↓
プライドと偏見
2005年の映画版。こちらは「プライドと偏見」という題名になっています。
エリザベス役はキーラ・ナイトレイ。美人ではっきり自分の意見を言うエリザベス役になかなか合っています!ただやっぱきれいすぎますね^^; お姉さんのジェーン役がロザムンド・パイクで、どちらが目立って美しいかというと、やっぱキーラになってしまうんじゃないですかね?
加えてロザムンド・パイクは大人っぽい顔立ちをしていますので、実際のジェーンよりだいぶ(言い方が悪いですが)老けて見えます・・・。ちょっと私のジェーンのイメージとは違いました。どうしても彼女からはサスペンスの香りがしてしまう・・・!
ミスター・ダーシー役はマシュー・マクファディン。彼についても賛否両論ありそうですね。ハンサムなのか、そうでないのか・・・なんかとても曖昧なお顔をされています。ただとても誠実そうだし、他のダーシーよりも見た目の冷たさが少なく、「かわいそう・不幸そう」なお顔をしています。そこにグッとくる人は彼のダーシーが大好きになるんじゃないですかね?!
ストーリーは、2時間という少ない時間にも関わらず、とても丁寧に描かれていたという印象です。さらに物語を分かりやすくするために、セリフなどに工夫がされていたと感じました。なぜこういった行動をとったのかなど、原作ではいちいち理由を言わないところも、分かりやすくするために説明が追加されていました。原作を読んだことがない人も1回見てすぐ物語を理解できるように配慮されていると感じました。
ジェーンがシャイで、ビングリーを愛していることをうまく表現できない。そのせいでミスター・ダーシーは「ジェーンはビングリーを愛していない」と誤解してしまう。そこの描写等も、この映画が一番分かりやすかったです。
こちらも「伝説の池シーン」を彷彿とさせるシーンがありました!ミスター・ダーシーが雨の中告白するシーンです!池に入るのはちょっと滑稽だし、雨の方が絶対ロマンチックでしょ!って思って製作されたんでしょうね(笑)
ラストがかなり唐突に終わって消化不良だったんですが、私が観たバージョン(イギリス版)と違い、アメリカ版では別エンディングがあったようです。たしかにあの終わり方ではもったいない気がする・・・。
こちらが別バージョンのエンディング。映画を観終わった後に、良かったら観てください。↓
高慢と偏見とゾンビ
異色モノの「高慢と偏見」です!誰がこの世界にゾンビを持ち込もうなどと思いついたことでしょう!笑
It is a truth universally acknowledged, that a single man in possesion of a good fortune, must be in want of a wife.
これは「高慢と偏見」の有名な冒頭の一節ですが、これの改変版が冒頭のナレーションで流れます。それが絶妙に笑いを誘います(笑)。
こちらの作品は「高慢と偏見」に「ゾンビ」という別の題材をミックスさせているので、まあ原作とはだいぶ違いますね。その点で好き嫌いは分かれそうです。
ゾンビ映画ということもあって、ベネット家の5人の娘はみんな武道に通じています。舞踏会に行く際に武器を仕込む様子がとてもかっこいい!アクション要素も強いので、文学にあまり興味がないという人が「高慢と偏見」に触れられる良い機会になると思います。
エリザベス役は「シンデレラ」のリリー・ジェームズ。彼女の美しさは世界中に知れわたっているので、こちらでもジェーンの印象がちょっと弱まっている印象があります。ただジェーン役のベラ・ヒースコートもきれいな方なので、観る人によって印象は変わるかな。
ゾンビ要素もあるためか、こちらの作品では5人姉妹全員が割と天真爛漫って感じですね。実際のキャラクターの年齢を考えたら、この活発さが一番リアルなのかもしれません。
コリンズ氏を演じていたのは「ドクター・フー」のマット・スミス。彼のコリンズが絶妙に気持ち悪く、そして笑えました!笑
ミスター・ダーシー役はサム・ライリー。彼も「かっこいいけど不器用」なミスター・ダーシーっぽさがありますね!非情そうな目つきが、ゾンビを次々と倒していく役柄にピッタリです!
そしてBBC版へのオマージュで、「伝説の池シーン」が再現されていました!笑 かなりサラッと入れてあるだけでしたが^^;
Netflix版「高慢と偏見」
こちらは2026年秋に配信予定の新しい「高慢と偏見」!
エリザベス役は「ザ・クラウン」でダイアナ妃を演じたエマ・コリン、ミスター・ダーシー役は「ダンケルク」「ふたりの女王 メアリーとエリザベス」のジャック・ロウデンが担当。
まだ細かいことはあまり分かっていませんが、ドラマは全6話になるそうなので、原作の内容を丁寧に描いてくれるよう期待します!
数々のクリエイターたちが作り上げてきた「高慢と偏見」の世界ですが、今回はどのようなものになるのか、楽しみです!
まとめ
200年以上も人々に愛されてきた作品「高慢と偏見」。
原作ファンの方も、映像作品からハマった方も、ぜひいろいろな「高慢と偏見」の世界を楽しんでいただけたらと思います。
次にどの「高慢と偏見」を観るか決める際に、この記事がお役に立てれば嬉しいです。


コメント