キャサリン・マンスフィールドを読んで

作家別感想

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「意識の流れ」を書いた作家としてヴァージニア・ウルフらとともに知られるキャサリン・マンスフィールド。今回は彼女の作品を読んでみました。以下に感想を記します。

キャサリン・マンスフィールドを読んで

私が今回読んだのは以下の2冊です。

A Dill Pickle

キャサリン・マンスフィールドとの出会いは、私がイギリスに旅行に行った際になんとなく↑の洋書を買ったことがきっかけでした。このPenguin Archiveシリーズは薄くてシンプルでおしゃれで、店頭に並んでいるとどうしても買いたくなっちゃうんですよ!本屋に行って本を見ると、カバーのビジュアルが大事だと本当に気づかされます。イギリスはカバーがおしゃれな本が多くて大好きです。

 

さて、本を読んだ感想ですが、彼女は「意識の流れ」を書いた作家ということでしたが、ヴァージニア・ウルフよりも読みやすいと感じました。

確かに、日常のちょっとした出来事などを人の心を織り交ぜて書く感じはヴァージニア・ウルフにも似ていましたが、ヴァージニア・ウルフの作品はライブカメラっぽさがあるのに対し、キャサリン・マンスフィールドの作品はより人物に入り込んだ作品だと思いました。その点でヴァージニア・ウルフの作品よりも読みやすく感じました。

また、キャサリン・マンスフィールドの作品からは少しメルヘンチックな雰囲気を感じました。ちょっといい身分の人たちや子供たちが出てきたり、「ガーデン」「パーティ」「人形」などのワードがそう思わせるのでしょうか。その中にピリリと毒が効いています。むしろこの毒を強調させるために、可愛くて柔らかい雰囲気を持たせているようにも思われます。

「見知らぬ人」は、魂の伴侶だと思っていた人が、自分とは違うものを見て、自分とは違う世界を持っていることに気づいたときの寂しさが書かれていて印象的でした。

「Miss Briss / ミス・ブリル」は、他人の些細な一言で、自分の中で作り上げていた穏やかで平和な世界があっという間に壊される様が書かれていました。予期せぬパンチを食らうという構造は、レイモンド・カーヴァーの「Nobody Said Anthing(サマー・スティールヘッド/夏にじます)」にも似ているな、と思いました。

レイモンド・カーヴァーを読んで

「The Doll’s House / 人形の家」は、メルヘンで可愛らしい子供たちの世界の中に、もうすでに蔓延っている階級による格差を表現した作品。女の子たちは小さくてもやはりおませ!

「A Dill Pickle / 姫茴香ディル風味のピクルス」は、別れた男女が久々に再会するお話。同じ出来事に関してもそれぞれ違う部分を覚えていたり、改めて相手の好きだった部分、嫌いだった部分を再確認します。最後の男の言動が地味に嫌だなと思いました(笑)

「Her First Ball」は、初めて舞踏会に参加する若い女性の話。初めての舞踏会で高揚する心を、老人の心ない言葉により踏みにじられますが、そんなことはすぐ忘れて彼女は再びダンスを楽しみます。「若さ」という強さやたくましさを書いた作品です。しかし希望にあふれてキラキラしている若者に水を差すような老人にはなりたくないものですな!

 

一見優雅で可愛らしい雰囲気を持ちつつも、スパイスのように毒が効いている作品が読みたい方には、キャサリン・マンスフィールドの作品をぜひともおすすめいたします。

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