「君の名前で僕を呼んで」の好きなところ7つ+豆知識

映画・ドラマ

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映画好きの私にとってお気に入りの映画はいろいろありますが、「君の名前で僕を呼んで」は大好きな映画のひとつです。

原題:Call Me by Your Name / 舞台:イタリア / 公開年(日本):2018 / 言語:英語、イタリア語、フランス語

監督は「胸騒ぎのシチリア」や「サスペリア」のルカ・グァダニーノ、脚本は「眺めのいい部屋」「モーリス」の監督であったジェームズ・アイヴォリーが担当しています。

 

今回は、「君の名前で僕を呼んで」の好きなところ7つをご紹介したいと思います!

 

 

「君の名前で僕を呼んで」の好きなところ

その1「感覚を刺激する美しい映像」

まずは何と言っても「美しい映像」ですね!もうこれはオープニングが始まる瞬間から感じるものと思います。

とにかくどのシーンも美しく撮ることにこだわって作られている感じがして、まさに「眼福」です!

舞台の北イタリア自体が美しいというのもあるのですが、この映画はその舞台の美しさを150%表現しています!そしてその美しさが感覚を刺激してくるんですよね~!

まずとにかく良いのは、美しい日光!

あの日差しの強そうな感じ!暑いな~!って気持ちになるし、あの日の光があるから食べもの、飲み物がより美味しそうに見えます。

夜明け前の青い光も特徴的です。静かで涼やかな印象を与えます。

日の光が暑そうな分、家の陰の部分にはひんやりとしたイメージを感じます。壁にぺったりくっついたら冷たそう。風が通ると涼しそう。そんなことを観ていて思います。

そして水の冷たさ!川に泳ぎに行ったりとか、エリオのお気に入りの泉とか、暑い日差しで火照った体を癒してくれるような冷たさも感じます。

映像の美しさは暑さ、冷たさを切り取る以外にも、構図やシチュエーションにもこだわっていると感じました。

映像の中で私が特に美しいと思ったのは、お風呂場に干してある水着のカットです。ほんの数秒だけ写るものですが、「生活の中にふとある美しいもの」を切り取っていると感じました。本当に芸術作品ですね!

そしてあの、湖から引き上げられる彫刻の映像ですね!ちょっとわざとらしいくらいなシチュエーションですが、「美しいものを撮る」ことへのこだわりをひしひしと感じます。

映像の美しさの秘密は、エリオが楽器を弾くシーンにも隠されています。

俳優さんが楽器を弾くシーンは、楽器を弾く手のシーンは代役によって行われるので、手のアップか顔のアップだけで構成されることが多いです。でもこの映画では、ティモシー・シャラメが実際にピアノやギターを弾いているので、ちゃんと俳優さんの全体を撮れていて、映像に不自然感がなくなっています。そういった細かいところの不快感も取り除かれて、より映像が美しいものになっています。

 

 

その2「映画を支える音楽の美しさ」

この映画のもうひとつの突出した特徴は、「美しい音楽」ですね!

私は初めてこの映画を映画館で観終わった後、その映画館でサウンドトラックを即購入しました。それくらい音楽に魅了されたのです(映画館ではぜひとも映画のサウンドトラックを売ってほしいものです。映画の音楽に感動してサントラを買いたいと思う人は必ずいます!)。

美しいクラシックや80年代のヨーロッパのポップソングが使われ、映画「戦場のメリークリスマス」のサウンドトラックからも2曲、坂本龍一の曲が使われています。中でも私のお気に入りの曲はこちら。

ラヴェルの組曲「鏡」より「海原の小舟」と言う曲です。音楽で水の流れをここまで美しく、リアルに表現できるのだと感動しました。

 

そしてこの映画を支えるもうひとつの音楽は、なんと言ってもスフィアン・スティーヴンズの楽曲ですね。

彼はこの映画に「Mystery of Love」「Futile Devices」「Visions of Gideon」の3曲を提供しています。

静かで清らかなサウンドが特徴ですが、歌詞もこの映画を表すのに大きな役割を担っています。ぜひ聴いてみてください!

 

 

その3「あこがれの暮らし」

彼らの暮らし方・・・。憧れます、本当に。

ああやってサラッと生きたいです、私も!

大きな家に住みたいし、朝は天気が良かったら外のテーブルで果樹園の景色を楽しみながら食事をとりたいし、アプリコットジュースを作って飲みたいし、おしゃれにポロシャツを着こなしたり、いつでも水着を着たりして出かけたいし、外で読書をして、ピアノを弾いて、日焼けしそうなこととか、ノートが濡れそうなこととか気にせず川で作曲したいし、ハエとか気にせず窓全開にしたいです(笑)

でも実際の生活ってそうはいかないですよね。できるものもあるけれど。

エリオのおうちはかなり裕福だと思いますので、実際あんな暮らしをしている人なんてほとんどいないと思います。理想の生活って感じですね。そう思うとあまり庶民のリアルではないですが、「憧れの生活」を芸術作品として描いている。そんな感じがします。

夏の始まりを感じると、こんな生活がしたいなーとこの映画を観たくなるんですが、実際に夏が来ると、日本の夏ってこんな美しくないんですよね・・・^^; ただただ過酷。でも日常の中でちょっと工夫をして、彼らのような美しくサラッとした生活をしたいと思います。

 

 

その4「ただようインテリの雰囲気」

これは好き嫌い分かれそうですが・・・私は好きです!

出てくる人たちがだいたいインテリなんですよね。エリオのお父さんは考古学の大学教授なのでもちろん頭の良い人でしょうし、お母さんもドイツ語を英語に翻訳してエリオに読み聞かせをしています。そしてそんな2人の息子であるエリオは、もちろんいろんなことを学んできたでしょうし、実際オリヴァーに「知らないことはあるの?」と聞かれています。

映画内でも英語、フランス語、イタリア語が入り乱れますし、クラシックを弾いたり、何やら難しそうな本を読んでいたりと、普通の生活の中に「インテリ」の雰囲気が漂っています。

私は頭が良い人に憧れていますので(笑)、こんな風に頭のいい、かっこいい人になりたいな~と思います。

 

 

その5「痛々しいくらい熱いエリオの恋」

この映画の主軸である、エリオの恋。

彼の恋はティーンエイジャーらしいエネルギーに満ち溢れた、まさに燃え上がるような恋なのです。

映画を観ていると、エリオの頭の中が常にオリヴァーでいっぱいなのを感じます。

ちょっとした書置きの文を何度も推敲したり、「真夜中に会おう」と言われたら一日中時計を手放せなくなったり、電話越しのマルシアの声は分からないのにオリヴァーの声はすぐ分かってしまったりするんです。

一日中オリヴァーが頭の中にいて、もうそれまでのエリオには戻れない。そんな燃えるような恋なんですね~!

若いからこそできるような、ひたむきな恋なんですよね。私も昔はそんな恋、したなぁ・・・笑

でもそういう恋って、大人になるとだんだんできなくなりますよね。

恋愛しにくい立場だったり、リスクを考えたりで、熱い炎が燃えなくなる分、傷つきもしなくなります。たぶんエリオのお父さんは、そうやって自分を守るために消極的にならないで欲しかったんでしょうね。燃える想いを大切にして、喜びも悲しみも、全部殺さないでそのまま受け入れて欲しい。

若いときだからこそ経験できる、痛々しいくらい熱い恋を、みずみずしく、生々しく描いています。

一方のオリヴァーは、彼はエリオより年上なこともあり、理性が邪魔している様子がうかがえます。ただ、「やめよう」と言いつつも自分から仕掛けたりしているところを見ると、彼も大人にはなりきれていないんですよね。本能と理性の間で揺れる年ごろなんですね。

二人の年齢や環境から来る恋愛への態度の違いも見どころですね。

 

 

その6「理解ある優しいお父さん」

オリヴァーとの最後の旅行から帰ってきたエリオに、お父さんがかける言葉。これが本当に胸を打ちます。

あんな素敵な言葉をかけてくれる人、なかなかいないです。家族間だと余計にそんなことはできないです。

エリオ一家は本当に、隠し事をせずに素直な心を伝え合うことができる家族に見えます。私は自分の親にそんな風に自分をさらけ出したことがないので、その絆の強さに驚かされます。「エプタメロン」の読み聞かせを聞いていたエリオが「そんなことを聞く勇気はない」と言ったときも、お父さんは「いつでも話して」と声をかけます。

賢いことによる柔軟性なのでしょうが、エリオの両親は先進的な考えを持っているようです。「同性愛」についても受け入れてくれる。オリヴァーも言っていましたが、エリオは本当に恵まれた環境に生まれてきましたね。

しかし、「セックスできそうだった」なんて話まで家族間でしてしまうのはさすがに驚きましたが(笑)。

 

 

その7「エンドロールまで配慮された作り」

映画の最後にはだいたい、黒い画面にキャストや撮影陣の名前が流れるエンドロールがあります。

映画の余韻にふけったり、徐々に映画の世界から現実の世界に戻るのに必要だし、こんなに多くの人が映画製作に携わっているんだと知る機会にもなるし、携わった人ひとりひとりに賛辞を贈るという意味でも必要なものだと感じていますが、あまり長いとチラチラ煩悩が生まれてくるんですよね・・・。

今何時だろうとか、ああトイレ行きたいなぁとか、ちょっともうお尻痛いとか・・・(映画館で観ているときの話です)。

その煩悩が出ちゃうと、せっかくの映画の余韻がちょっとダメになっちゃうんですよね。

「君の名前で僕を呼んで」は、オープニングとエンディングにキャスト、撮影陣の紹介を分けて載せ、また最後の最後まで黒い画面にせず、代わりにティモシーの素晴らしい演技を映したことで、映画の余韻にひたる時間もなく、急に終わりを迎えます。映画を観ている側は「はっ・・・終わってしまった・・・!」となり、しばらくは映画の世界から抜け出せないままフワフワとしてしまいます。

このフワフワが良いんですよね。余韻を残したくてあのようなエンディングにしたかは分かりませんが、エンドロールの作りにまで配慮が行き届いているのを感じました。

 

 

まとめ

いかがでしたか?映画「君の名前で僕を呼んで」の魅力が伝わりましたでしょうか?

この映画はよく、美男子たちの恋愛映画、BL映画というくくりに入れられがちですが、そういった要素だけがこの映画のすべてではありません。なので、そういった映画が苦手だったり、拒否感を持つ人にも、ぜひ一度観ていただきたいです。

そしてこの映画が好きでこの記事にたどり着いた方、この映画を観て調べてきてくれた方、この映画が気になっている方、ぜひ一度(再度)どこかのタイミングで「君の名前で僕を呼んで」を観ていただけたらなと思います。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

 

 

以下には映画をより楽しむための豆知識および、原作について書かれています。

映画についてより深く知りたい!という方はぜひ目を通してみてください↓

映画をより楽しむための豆知識

●エリオとオリヴァーが芝生に寝転がり、初めてキスするシーンは、映画「モーリス」のオマージュです。

 

●原作「Call Me by Your Name」の著者であるアンドレ・アシマンは、ムニール役(ソニー&シェールと揶揄されていたカップルの、背の低い方の人です)としてゲスト出演しています。

 

●エリオがチラッと読んでいた本

ヘラクレイトス「断片」

Heraclitus: The Cosmic Fragments: Heraclitus, Kirk, G. S.: 9780521136679: Amazon.com: Books

↑まさにこれが映画で使われていた本のようです。

日本語版もありました↓(別の本ですが、内容は近いかと。)

Amazon.co.jp: 断片集 eBook : ヘラクレイトス, John Burnet, Masami Kiyono: 本

 

●エリオのお母さんがエリオに読み聞かせていた本

マルグリット・ド・ナヴァル「エプタメロン」

愛や欲を主なテーマとした72編の物語から成る作品だそう。

 

●ピアーヴェ川の戦い ピアーヴェ川の戦い – Wikipedia

 

●エリオがマルシアにあげていた本

アントニア・ポッツィ「Parole」

Amazon | Parole | Pozzi, Antonia | Classics

↑イタリア語版です

↓日本語版の作品は見つからなかったので、英語版のアントニア・ポッツィ詩集を載せておきます。

Amazon.co.jp: Poems : Pozzi, Antonia, Robinson, Peter: 洋書

アントニア・ポッツィはイタリアの女性詩人。1912年に生まれ、1938年にわずか26歳の若さで亡くなっています。作品は彼女の死後に有名となり、現在ではさまざまな言語に翻訳されて読まれています。

彼女の人生を描いた「Antonia.」という映画がありますが、日本では公開されていないようですね。

 

●プラクシテレス プラクシテレス – Wikipedia

 

●リチャード・バトラー

ザ・サイケデリック・ファーズというイギリス出身のバントのボーカル。映画で使われている「Love My Way」は彼らの楽曲。

2001年にバンドを再結成し、今でも活躍されているそうです!

 

 

原作「Call Me by Your Name」について

映画「君の名前で僕を呼んで」を好きになったら、ぜひ原作の方も読んでみてください。

映画では語られなかったエリオの心の中の声が、小説の方では詳細に語られています。ティーンエイジャーの少年の恋心。より激しく生々しい想いが綴られています。

↓日本語版

 

↓英語版(電子書籍)

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