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英文学を学ぼうと少しサーチすると、必ずと言っていいほど「チャールズ・ディケンズ」という名前が出てくると思います。
「クリスマス・キャロル」の内容は何となく知っていますし、「オリバー・ツイスト」や「大いなる遺産」なども、タイトルは聞いたことがありましたが、実際にどんな作品なのかは知らないなと思ったので、チャールズ・ディケンズの作品をちゃんと読んでみようと思いました。以下に各作品の感想を記します。
大いなる遺産
↑Kindle Unlimitedで読めたのでこちらにしましたが、誤字脱字(特に下巻)が結構気になりました…。もっと口コミの多い他の出版社のものの方がいいかも。
これは私が初めて読んだチャールズ・ディケンズの長編小説です。
この小説を読み終わったとき、正直どのような感想を持って、何を学べばいいのか少し戸惑いました。なぜかというと私はチャールズ・ディケンズの作品は「クリスマス・キャロル」ぐらいしか知らなかったからです。彼の作品は分かりやすく、私たちに学びを与えてくれるものだと思っていたんです。私のチャールズ・ディケンズに対するイメージが良い意味で裏切られました。
「大いなる遺産」を読んでまず魅力に思ったのは、その巧みなプロット!
次に何が起こるか全く分からず、また章の終わりに次回予告みたいに、これから起こることを少しほのめかすので、続きが気になってしょうがなかったです!これは「大いなる遺産」がもともと週刊雑誌連載の小説だったので、続きが気になるようにあえて作られているんでしょうね。
物語はどんどんと予想もしない方向に進んでいきます。結構長めの作品ですが、これがどういう最後を迎えるのか確かめなきゃ満足できない!という強い気持ちが生まれたので、最後まで読めました。
そしてもうひとつ大きな魅力だったのが、登場人物たちの深くて濃いキャラクター性!
「個性がある」なんて簡単な言葉では表せないし、そんな浅はかなものではないんですよね。キャラクターそれぞれに人生があって、それゆえ今の彼らがいるといったような、非常にそれぞれのキャラクターが作りこまれているんですよね。
たとえばハヴィシャムさん。婚約者に騙されたことがきっかけで、世の男性に復讐を誓います。男性陣が苦しむようにエステラを冷たい人間に育て上げ、ピップがエステラに恋をしていること、またピップが、財産を与えてくれるのはハヴィシャムだと考えていることを利用して、ピップをも苦しめます。しかしピップが溢れんばかりの愛の気持ちをエステラに伝えたときには、後悔したような表情をするのです。
エステラもまた、ハヴィシャムさんに冷たい機械のような人間に育て上げられてしまいます。そこにエステラ自身の意思はありません。ピップから好意を寄せられていると知っても、それを冷たくあしらいます。でも今思えばこの冷たいあしらいはエステラなりの優しさだったのかもしれません。期待(Expectation)を持たせるほど、ピップは傷つくことになるのですから。
二人ともピップの誠意に触れて、その性格に変化がもたらされたように思います。
ピップ自身は自分を高慢でダメな人間になり下がったと思っていたようです。実際にジョーの田舎臭さや洗練されていない態度に対して恥ずかしいと思ったり、お金を浪費してしまう悪い癖はありましたが、でも彼の根底にはいつも誠意があり、善人の心があったように私は思います。
ジョーは常に良い人として書かれており、「善」の象徴だったように思います。お金がものを言わせる時代に、それでも人生において大切なものは「善」の心だと教えられた気がします。
他には、財産を手に入れたピップに対して、手のひらを返したように態度を変える様々な人々が書かれていました。ほとんどの人にとってお金が人生の意味になってしまっていることを表しているように感じました。
産業革命による経済発展と、それによる貧富の差がもたらされた時代に、「お金ではなく人間の温かい心が、結局は人を豊かにする」ということを伝えたかったのかな、と思いました。
そして最後にピップが得たGreat Expectation(大いなる期待)は、エステラとの未来だった、ってことなんでしょうね!


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