宮沢賢治を読んで

作家別感想

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※この記事はネタバレを含みます。

 

誰もが一度は読んだことがあるであろう作品たち。童話のようで、でもわかりにくい。今回はそんな宮沢賢治の作品を読んだ感想を記していきます。

 

宮沢賢治を読んで

銀河鉄道の夜

とってもきれいなのに、悲しく終わってしまう。悲しいんだけれども、でもきれい。

宮沢賢治の文体はかなり特徴がありますね。後にも先にもまず、句読点が異様に少ない!私は一文を長くつなげる文が結構好きなので、ああいいな~、宮沢賢治だな~って思うのですが、これが読みづらく感じる人や、苦手意識を感じる人は、その時点で、宮沢賢治の作品にはとっつきづらくなってしまうのかもしれませんね。

と書いてひとつのことに気付きました。私は今回新潮文庫の「新編 銀河鉄道の夜」を読んだのですが、青空文庫が出している「銀河鉄道の夜」は句読点が読みやすいようにふられているみたいです。

そして調べてみると、「銀河鉄道の夜」自体も完成形ではないようで、推敲を重ねていた途中のものが作品として出されているみたいなので、文庫によって載っている文章が少し違うみたいです。これはまた時間があれば確認したいです。

さて、物語の感想に戻ります。

物語は、ジョバンニとカムパネルラが銀河を旅する様子が一番のメインどころかと思います。なんとも幻想的で美しく、子供向けの童話のようにも感じられますが、いまいち物語自体も抽象的で、うまくつかめないといった印象が残りました。そのつかみにくいふわっとした印象自体が、「銀河鉄道の夜」という作品の幻想的な印象を強めているのではないでしょうか。

何となく切ないんですよね、クラスメイトの子たちに馬鹿にされるジョバンニの境遇とか。さらには大切な友人であったカムパネルラまで亡くしてしまうし・・・。幻想的+切ない雰囲気というのは、「星の王子さま」を彷彿とさせます。

心を綺麗に洗い流したいときに読みたい作品です。

 

セロ弾きのゴーシュ

学生の頃に読んだことのある作品です。

わぁ、なんか・・・心がギュっとしました。私も学生の頃にはゴーシュのように弦楽器を弾いていたのですが、まあ幸いなことに自分だけ責められて怒られることはありませんでした。他の場面、例えば勉強や仕事でも、「ダメな奴」というレッテルを貼られることはありませんでした(・・・と、信じていますが^^;)。

作品を読んでいて、今まで「仕事ができない人」とか「勉強ができない人」と思っていた人たちになんだかとても申し訳ない気持ちになりました。彼らも一部分だけ見れば「できない人」でも、もしかしたら他面ではとても魅力的な人だったのかもしれないのです。

こちらの作品では滑稽さとちょっとした意地悪な気持ちも表現されていますが、やはり根底には優しい雰囲気が流れています。最後の一文がじーんと心にきます。動物たちがやってきて普通に人とお話をするところが、いかにも宮沢賢治ワールドって感じでいいですね。

 

よだかの星

こちらも学生の頃に読んだのかな?なんとなく覚えている作品。

こちらは「セロ弾きのゴーシュ」とは違い、ハッピーな雰囲気では終わらない作品です。美しいながらも切ない雰囲気を持った作品になっています。

きっと作者自身が孤独を感じたり、誰かの犠牲の上に成り立つ世界を嫌に感じたりすることがあったのではないでしょうか?調べると宮沢賢治は法華経を信仰し、強い禁欲主義者であったそうです(一時期はベジタリアンでもあったそう)。誰もが欲を追い求める世界への警鐘と、そんなものとは関わりなく、孤高で気高く美しい存在になることへの憧れを感じさせる作品です。

 

シグナルとシグナレス

宮沢賢治の世界では、動物が普通に人間と会話を交わせますが、この作品ではなんと、信号機に命が吹き込まれています!しかも恋をしています!彼のファンタジーな世界では、ものまでもが生きているんですね。ここまでやってしまうのか、と読んで驚きました。

きっと散歩中とかに見つけるあらゆるものを見て、「わああれは素敵だ」「あれはかわいい」などと思っていたのではないでしょうか。ものに命を吹き込む、ものを人間のように思うのは、確かに日本に昔から備わる擬人化の文化ですよね。

しかし宮沢賢治の作品には宇宙や海の描写が多いですね。好きな世界観だったのでしょう。

 

猫の事務所

猫が事務所に集まってせっせと働いている様子を想像するとなんともかわいい。とてもかわいい。でもやっぱりちょっと悲しい内容になっています。

意地悪とかいじめといった内容が、宮沢賢治の作品には多いですね。

かなり唐突に終わったのでびっくりしました。この終わり方で良かったのでしょうか。続きが読みたいし、続きがあってもおかしくないと思いました。

 

北守将軍と三人兄弟の医者

「銀河鉄道の夜」の感想欄で、宮沢賢治の文体は句読点が異様に少ないと書きましたが、この作品は細かく読点で区切られていて、読んでいるとだんだん唄っているような、リズムの波に乗ってきます。

ただ後半になると物語にのめり込み、いつの間にかリズムの波のことも忘れていました。古い伝説にありそうなお話です。とても魅力的。

 

注文の多い料理店

こちらも学生の頃読んだ作品。言葉遊びが含まれたタイトルが印象的ですよね。

こちらはいかにも昔の童話といった感じで、少し不気味ですね。終わり方もなんか、良かった~ハッピーエンド!って感じじゃないところが童話っぽいです。

物語をとっても簡単に言うと、猫に化かされてあやうく餌食になるとこだった二人の紳士のお話ですね。紳士たちがせっせと自分たちを「下ごしらえ」する様子がなんとも滑稽です。牛乳クリームがやけに美味しそうに感じます。良い香りがしそう。

 

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