※この記事は広告を含みます。
※この記事はネタバレを含みます。
先日エミリー・ブロンテの「嵐が丘」を読み、他のブロンテ姉妹の作品はどんなものかと気になっていました。今回はシャーロット・ブロンテの作品を読みましたので、ここに感想を記します。
ジェイン・エア
ひとりの女性の人生がとても色濃く描かれていました。フェミニズム文学と言ってもいいのではないでしょうか?
当時の女性だって男性ほど活躍できる場がなかったにしろ、いろいろ心に思うことはあったでしょう。それが「ジェイン・エア」では余すことなく表現されていて、読んでいて気持ちの良いものでした。
ジェインはかなり理性的、現実的で、女性にいわゆる「女性らしさ」を求める人から言わせれば「かわいくない」のかもしれません。でも彼女は常に自分を軸にして物事を考えているし、好きな人だから100%好きになるとか、その逆もしない。人には良い点と悪い点が共存するということをとても自然に受け止めている。そんなリアリストなところにかなり好感を持ちました。
容姿が劣っている点を素直に認めるのも彼女らしいですが、ロチェスターに愛の言葉を唱えられても素直に受け入れられない点は悲しく思いました。自分を客観視できすぎるゆえの代償ですね。
ジェインの性格もそうですが、登場人物たちの性格も現実的で良かったです。幼年時代の親友ヘレンや、いとこのダイアナとメアリはきれいすぎるかもしれませんが、リード夫人やセント・ジョンの描写は見事でした。またジェイン自身が欠点もあるロチェスターを好きになるという設定も良かったと思います。
読んでいた時は、うーんこれではセント・ジョンは、ロチェスターとの大恋愛を表現するための茶番として使われたようなもんじゃないか!なんて思っていましたが、今思い返すといやいや。彼の存在も小説をより良いものにしたと思います。
大志を抱き、「善き人生」を目指すのがセント・ジョン。でもそういう人を一番素晴らしい人として書くのではなく、でもどちらの人生がより良いものかという答えを出すでもなく、ジェインはジェインの幸せを選んでこの小説は結末を迎えます。人の生き方に評価をつけないところも良いですよね。
キリスト教の考えもかなりこの小説の軸を成すものでした。聖書からの引用も数多くありましたね。ロチェスターが結婚しているからといってジェインが出ていってしまうのは、キリスト教では重婚を強く禁止しているからですが、私たち日本人の感覚からすると少し違和感を覚える箇所ですね。文化による考え方の違いを読者も知っておく必要があるな、と思いました。
小説全体がジェインの回顧録として書かれているので、著者はこれを過ぎ去った過去として安心感を持ちながら読むことができます。ロチェスターとの恋の話の時は、当時のジェインの本能に突き動かされる衝動的な姿と、それを回顧する現在のジェインの冷静な性格とのギャップが面白さを引き出しています。
とても楽しく読むことができました!

コメント