Criterion Closet Picksという動画をご存じですか?
クライテリオン・コレクション社という、名作と呼ばれる映画のディスクを販売しているアメリカの企業が作成している動画のシリーズなのですが、有名な俳優や映画製作者たちがCriterionのディスクの中からお気に入りの映画を紹介しています。
↑で載せたように、過去にはキリアン・マーフィーや、ロバート・デ・ニーロ、ノーマン・リーダス、エル・ファニングなどの有名な俳優さんや、アリ・アスターやギレルモ・デル・トロなどの映画製作者さんたちが登場しています。日本からは役所広司さんや濱口竜介監督、ゲームクリエイターの小島秀夫さんなどが登場しています!
俳優さんが選ぶ好きな映画って、気になりますよね?
今回は、多くの俳優さんたちに選ばれた映画をご紹介します!
【Criterion Closet Picks】俳優たちのお気に入りの映画はなに?
※Criterion Closet Picksのすべての動画を確認して統計を取ったわけではなく、数十本見て多く名前が挙がった作品をご紹介します。正確なデータというわけではないのでご容赦ください。
こわれゆく女(John Cassavetes: Five Filmsより)
John Cassavetes: Five Films | The Criterion Collection
群を抜いて多くピックアップされてたのが、ジョン・カサヴェテスの作品集でした。今回は5本の作品の中から、一番有名な「こわれゆく女」をピックアップしてご紹介いたします。
| 原題 | A Woman Under the Influence |
| 監督 | ジョン・カサヴェテス |
| キャスト | ジーナ・ローランズ、ピーター・フォーク |
| 公開年 | 1974年 |
| 上映時間 | 155分 |
夫婦水入らずで過ごすと決めた特別な夜。子供たちを親に預け、夫ニックの帰りを待つだけだったが、急な仕事で夫は帰れなくなった。やけになったメイベルは酒場から男を家に連れ込む。翌日、帰ってきたニックとその仕事仲間たちと食事をとるものの、メイベルの言動のおかしさから気まずい雰囲気となってしまう。ずっと妻をかばってきたニックだったが、徐々に自分の妻はおかしいと思うようになる。
この世界では、みんなみたいに上手に生きていけない人たちがいます。おかしくなってしまった人を、柔軟性のない社会は受け入れることができません。それをできるのは子供たちだけ。ただそんな、おかしくなってしまった人たちも、案外望んでいるのは単純な愛だけだったりする。そんなことを思わせる映画です。
妻メイベルを演じたジーナ・ローランズの演技が見事でした!本当に映画の中で生きている、そんな風に感じました。
俳優さんたち的には、こんな演技がしたい、こんな素晴らしい映画、叙情豊かな人間劇の制作に携わりたい、と思うのかもしれませんね。多くの支持を得たのも納得です。
道(1954)
こちらもジョン・カサヴェテスの作品集同様に群を抜いて多くの支持がありました。「道」単品ではなく、フェデリコ・フェリーニ監督の作品集をピックアップする人も複数人いました。
| 原題 | La Strada |
| 監督 | フェデリコ・フェリーニ |
| キャスト | アンソニー・クイン、ジュリエッタ・マシーナ、リチャード・ベイスハート |
| 公開年 | 1954年 |
| 上映時間 | 104分 |
亡くなった姉ローザの代わりに、大道芸人ザンパノと旅を共にすることとなったジェルソミーナ。ザンパノの傍若無人な振る舞いに嫌気が差し逃げ出すが、ザンパノに連れ戻される。その後に二人はあるサーカス団と合流するが、そこにはジェルソミーナが逃げ出したときに見た綱渡り芸人の姿があった。
愛や倫理、生きる意味などを教えてくれる作品。大道芸人たちが登場人物として出てくるので、コミカルな演技や表情などにフフッと笑えるのですが、奥に深い意味を持ったような作品です。
価値観の違いに苦しめられてもひたすらに寄り添う純愛や、そんな人を捨てて、最後には自分の犯した罪を知る者の嘆きなどが表現されています。
数々の名言や、ラストシーンはとても印象的です!
以下は上記2作ほど多くの支持は得ていないものの、複数の人にピックアップされた作品です。
花様年華
| 英題 | In the Mood for Love |
| 監督 | ウォン・カーウァイ |
| キャスト | トニー・レオン、マギー・チャン |
| 公開年 | 2000年 |
| 上映時間 | 98分 |
同じ日に隣同士に引っ越してきたチャウとチャン夫人。お互いの伴侶が不倫関係にあることを知った二人は、特別な絆で結ばれていく。
どこからを愛と呼び、どこからが不倫となるのか。この映画には非常に曖昧で、言葉にされない大人の心や関係性が表されています。
エドワード・ホッパーの絵画を彷彿とさせる色彩の濃い、湿度が高そうで気だるい雰囲気は、観る者の心をグッと捉えて離しません!チャン夫人が着るチャイナドレスはそんな映画に東アジアの風を運び、唯一無二の空気感を作り出します。
簡単には理解できない大人の、甘さや苦さを混ぜ合わせたような恋が観たい方におすすめです。
トレインスポッティング
| 原題 | Trainspotting |
| 監督 | ダニー・ボイル |
| キャスト | ユアン・マクレガー、ロバート・カーライル、ジョニー・リー・ミラー、ユエン・ブレムナー |
| 公開年 | 1996年 |
| 上映時間 | 94分 |
仲間とつるみ、ドラッグに溺れる日々を過ごすレントン。ドラッグをやめようと決意をするが、どうしても上手くいかず、依存はどんどんひどくなっていく。ロンドンでやっとまともな生活を手に入れても、かつての仲間たちに邪魔をされてしまう。
スタイリッシュで「イカした」映画。映像の作りや選曲が素晴らしいです。
ドラッグを求めてもがく主人公のバックで優雅に流れるクラシック曲が、ギャップを生み出してコミカルになっていたり、ドラッグに溺れた状態を表現するような世界観(トイレのシーン、カーペットに沈み込む映像、伸びる部屋、天井をハイハイする赤ちゃんなど)がなんとも楽しい作品です。
強すぎるスコットランドの訛りも、この映画に唯一性を持たせています。(英語圏の人たちは字幕なしで何言ってるのか分かるのかしら笑)
七人の侍
| 英題 | Seven Samurai |
| 監督 | 黒澤明 |
| キャスト | 三船敏郎、志村喬、木村功、津島恵子、加東大介 |
| 公開年 | 1954年 |
| 上映時間 | 207分 |
時は戦国時代末期。村々では野武士が幅を利かせ、百姓たちの収穫を強奪していた。とある農村では、野武士の襲撃を恐れた村人たちが、用心棒として侍を雇うことを決意する。
世界のクロサワはやはり強かった!「七人の侍」は多くの支持を得ました!
1954年の映画ですが、今観てもすごい。古臭く感じない。迫力とか登場人物たちの個性が際立っているのとか、観ていてやはり面白いんですね。CGなどではなく、リアルに作られたものを見る楽しさが体験できます。
あとはやはり、失われつつある日本の美しさが映画の中に残っているんですよね。刀を持つ構えや衣装、田植えの様子など、私たちの遺伝子に訴えかける何かがあります。
黒澤明監督の作品では他に「生きる」も複数の人から選ばれました。
CURE
| 監督 | 黒沢清 |
| キャスト | 役所広司、萩原聖人、中川安奈、うじきつよし |
| 公開年 | 1997年 |
| 上映時間 | 111分 |
ある日娼婦が殺される事件が発生した。被害者の首元はX字に切り裂かれていた。犯人は捕まったが、同じように首元をX字に切られる事件は他にも起こっていた。これら事件の謎の共通点をいぶかしみ、刑事の高部は心理学者の佐久間の協力を得て、事件の真相解明に乗り出す。
黒沢清監督の作品である「CURE」も、複数の俳優さんたちから選ばれていました!
事件解決モノの映画かと思って観ると、ちょっと当てが外れます。だいぶオカルトチックでホラーっぽく作られています。ホラー系が苦手な人はお気をつけください。
超自然的な雰囲気を持つ映画ですが、「忍術」や「妖術」、「物の怪」などの話がある日本が舞台だからこそ、海外の人にとってはよりリアルに感じるのかもしれませんね。
ブルーベルベット
| 原題 | Blue Velvet |
| 監督 | デイヴィッド・リンチ |
| キャスト | カイル・マクラクラン、イザベラ・ロッセリーニ、デニス・ホッパー、ローラ・ダーン |
| 公開年 | 1986年 |
| 上映時間 | 121分 |
入院した父に会うため故郷に帰ってきたジェフリーは、草原で切断された人間の耳を発見する。すぐにウィリアムズ刑事に報告するも、事件のことが気になったジェフリー。刑事の娘サンディから、ドロシー・ヴァレンズという歌手が事件に関係していると聞かされ、ドロシーの家に侵入を試みる。そしてジェフリーは隠された世界へと足を踏み入れることとなる。
デイヴィッド・リンチ監督も多くのファンを持つ映画監督ですよね。
ブルーベルベットは、一見のどかな街の裏で起こっている暴力的で残酷な事件を描いた作品です。暴力や倒錯的な性癖などを表現していますが、美しい音楽とたまに挟まれるユーモア性によって、どこか心地よささえ感じる雰囲気となっています。
ただ、家族で観るのはおすすめしませんのでご注意を!^^;
まとめ
こうやって見てみると、やはり俳優さんたちっていろんな映画を知っていますね!
私が知らなかった日本の映画まで知っていたりして、ただただ感服するばかりです。しかし日本映画をこうやって選んでもらえるのは、やはり日本人として誇りに感じますね!
良い映画を見つける近道は、俳優さんたちの好きな映画を知ることかもしれません。
あなたもCriterion Closet Picksを観て、ぜひ好きな俳優や映画監督のお気に入りの映画をチェックしてみてください!


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